【AI駆動型】商品企画 7プロセスのAI活用方法
1. 商品企画とは何か
ひとことで言うと: 「誰の何を解決して、いくらでどう売るか」を1枚に言語化する作業。
なぜ大事か
- 商品企画ができる人 = 「アイデアを形にできる人」
- 世の中で「困っている人」を見つけて、解決策を考える力が身につく
- 「自分の考え」を1枚にまとめて他人に伝える力が身につく
- 就活・転職・社会人になっても、いろんな場面で応用できる
- これから先、起業・新規事業・社内提案で必要になる力
- AIが進化しても、「何を作るか」を決めるのは人間の役割であり続ける
2. 商品企画の7プロセス
商品企画は7つのプロセスで構成。各プロセスは独立した30分の作業。
(筋の良い1件)
(人物像の型)
+ ジャーニー
(顧客/競合/自社)
+ ポジショニング
(7つの問い)
(50→3に絞る)
(価値の言語化)
+ 1エレベーターピッチ
AI画像生成
(GO/修正/破棄)
お役立ちテンプレート
(A4 2-3ページ程度)
各プロセスそれぞれ 30分程度で実施可能。
トータル 30分×7 = 約3.5時間(目安)
3. 各プロセスの役割
各プロセスで何をするか、どんなフレームワークを使うか、何ができあがるか。
フレームワークとは、思考時の「型」または「補助輪」を指す一般用語。自由発想は迷子になりやすいため、先人が体系化した手順を借用する。
| # | プロセス | 何をする | 作業時間 (目安) | 使用フレームワーク・テンプレート等 | できあがるもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 課題抽出 | 困りごとを1件に絞る | 30分 | As-Is/To-Be(現状と理想を対比)、5 Whys(なぜを5回) | 1つの課題 |
| 2 | 顧客理解 | 困っている人を1人描く | 30分 | ペルソナ(人物像)、CJM(1日の時系列) | 1人の人物像 |
| 3 | 市場・競合 | 立ち位置を決める | 30分 | 3C分析(顧客・競合・自社)、ポジショニングマップ | 市場における立ち位置 |
| 4 | アイデア発想 | 商品案を出す | 30分 | SCAMPER(7つの問い) | 2〜3個のアイデア |
| 5 | コンセプト設計 | 1枚に言語化 | 30分 | VPC(価値の対応表)、エレベーターピッチ | VPC+エレベーターピッチ |
| 6 | 検証 | 人に見せて反応もらう | 30分 | 手書きスケッチ、5つの質問 | 3人分の声 |
| 7 | 企画書化 | 商品企画書にする | 30分 | 商品企画書のお役立ちテンプレート | 商品企画書の完成版 |
合計 約3.5時間(目安)で 1つの商品企画 が完成
4. AI活用のスタンス
全プロセス共通の使い方。「人間が先、AIで加速」が大原則。
大原則: 人間が先、AIで加速
人間が3回(①③⑤)、AIが2回(②④)。最初と最後は必ず人間、AIは「拡張」と「対話」で介入
① まず自分で 15〜30分 手を動かす(ブレスト・観察・書き出し)
② 自分の結果をAIに見せて、拡張してもらう
③ 集まった候補から 自分で選ぶ
④ 掘り下げは AIとの対話で進める
⑤ 最後は 自分の判断で決める
なぜ「人間が先」にしているか
- 当事者意識: AIは自分の生活実感を持っていない
- 直感が育つ: 自分で手を動かすことで「筋の良いもの」を見抜く感覚が身につく
- AIの限界が見える: 「これ違うな」と判断する力は、自分の経験からしか生まれない
最初からAIに頼ってしまうと、自分で何も理解できておらず、説明もできない状態になってしまう。まずは 自分の頭で考えて、やってみる。そのうえでAIを使うと、考えたことが一気に加速する。
慣れてきたら、AI主導にシフトしてOK
「なぜそうやるか」「意味は何か」を理解した後は、最初からAIに任せてかまいません。慣れた後も「人間が先」を貫くのは、逆に非効率。
| 段階 | 進め方 |
|---|---|
| 初学者(理解前) | 人間が先 → AIで加速(本ガイドの基本形) |
| 慣れた後(理解後) | 最初からAIに任せてOK、人間は判断と仕上げ |
身につく力は、その先でも通用する
「AIをどう使っているか」を自分の言葉で語れる力は、これから先のいろんな場面で使える。
△ 「AIでやりました」
→ 「自分では考えることができない」とみなされてしまう可能性
アピール例
- ✅「人間が問いを考え、AIにまとめてもらったものを、人間が判断しました」
- ✅「AIを壁打ち相手にしながら、自分で結論を出しました」
- ✅「AIに批判してもらい、その批判に反論できる課題だけ採用しました」
→ AIを使いこなしてる人
5. 進め方のスタイル3選
7プロセスをどう進めるか、3つのスタイル。状況に応じて選ぶ。
スタイルA: 一気にやる派
約3.5時間を半日〜1日に集中して通す
勢いで全体感を掴みやすい。ハッカソン・合宿スタイル。
スタイルB: こつこつ派
週1回×7週間で進める
ゼミの定例運用に合う。じっくり考えたい人向け。
スタイルC: つまみ食い派
必要なところだけやる
商品アイデア既にあれば4をスキップ等。経験者・慣れた人向け。
※本資料では、どのスタイルの方でも、必要なドキュメントを使い分けられる構造にしています。
6. どこから始めるか
自分の状況に応じて、どのプロセスから始めるかを判断する。
「1. 課題抽出」から始めるのが王道
急がば回れ。ここを丁寧にやることが、後のプロセス全部の精度を上げる。
7. このあとの流れ
講義の進め方と宿題、来週の予定について。
講義の進め方
- 進行はZoomで画面共有します
- ご自身の端末で作業するタイミングがあります
今日の宿題
- 各プロセスの本編を読む。
- 1でそれぞれ 2026.05実施対象 のところをやる。
- 余力があったら 2026.05実施対象 以外のところをやってもOK。
+α以降も読んで、やってみてOK。 - 最終的に、商品企画書(テキスト)と商品説明画像ができたらOK。
提出物2点:
- 商品企画書(テキスト)
- 商品説明画像(AIで生成したもの)
ゼミ発表
- 完成した商品企画書を使って 1分プレゼン
- 質疑応答は7プロセスのどこから来ても答えられる状態
8. サンプル題材:ホコリ封印ウェット軍手の企画
本シリーズでは「ある商品アイデア」を例に、7プロセスを順に見ていきます。
| プロセス | サンプル題材の進み方 |
|---|---|
| 1. 課題抽出 | アレルギー持ちの掃除で「集めたホコリの再飛散と廃棄時の3重ハードル」 |
| 2. 顧客理解 | 山本詩織さん(35歳・在宅Webデザイナー・大阪府高槻市・ダニアレルギー) |
| 3. 市場・競合 | 徹底防衛派50万人市場、競合(ハンディモップ・サイクロン等)が空けた象限=対処×完全防護 |
| 4. アイデア発想 | SCAMPER(7つの問いを投げるフレームワーク) で21個 → ウェット繊維+ロングカフ+裏返し粘着フラップ+専用液剤 |
| 5. コンセプト設計 | 「ホコリ封印ウェット軍手」VPC(顧客側と価値側を6マスで対応させるフレームワーク) + エレベーターピッチ完成 |
| 6. 検証 | 知人3人ヒアリング → ペルソナの優先順位(1位:空気抜き)が他者にも共通と普遍性確認、「裏返し粘着フラップ=空気抜き不要」が的中を裏付け |
| 7. 企画書化 | 商品企画書のお役立ちテンプレート(7セクション構成) 完成、1枚30円・月利用枚数モデルで年商9,000万円 |
📄 できあがりイメージ:企画書(テキスト)
1. 商品概要
- 商品名: ホコリ封印ウェット軍手
- キャッチコピー: そっと集めて漏らさずポイ!
- 1行エレベーターピッチ: 徹底防衛派アレルギー持ちの「集めたホコリの再飛散と廃棄時の3重ハードル」を、ウェット繊維で絡め捕り裏返してそのまま封印する手袋で解決する。
2. ターゲット
- ターゲット: 30〜50代女性、徹底防衛派アレルギー持ち(全国推計約50万人)
- 背景: 重症のダニ・ハウスダスト・カビアレルギーで、週末の掃除デーが最大の苦痛
- 代表的なペルソナ: 山本詩織さん(38歳・主婦)
3. 課題と背景
- 既存の掃除道具は「集める」までしか設計されていない
- 掃除中の被曝3重ハードル: (1)ダストカップの空気抜き(最深刻) (2)水洗いの再飛散 (3)ドア対流
- 掃除後に1〜2時間横になる必要があり、QOLを大きく損なう
4. 価値提案
- 雪崩ゼロ: ウェット繊維で絡め捕り、舞い上がりを抑える
- 鉄壁ガード: ロングカフ+二重バリアで肘まで防護
- 完全封印: 裏返し粘着フラップで密閉してそのまま廃棄
- 中和: アレルゲン変性+帯電防止液剤で再付着抑制
5. 商品仕様
- 素材: ウェット繊維 + ニトリル(裏側)
- 構造: ロングカフ(肘まで) + 二重バリア + 裏返し粘着フラップ
- 液剤: アレルゲン変性 + 帯電防止
- 形態: 使い切り型(両手1組)
6. 販売計画
- 価格: 1組30円(両手分)
- 販売チャネル: ドラッグストア + Amazon・楽天 + 直販EC + 医療機関連携
- 販促: SNSアレルギー持ちコミュニティでの口コミ + 医師推奨 + 定期購入
7. 数値見込み
- 市場規模: 徹底防衛派アレルギー持ち 約50万人
- 想定購入: 月10組 × 年12か月 = 年3,600円/人
- 年商見込み: 獲得2.5万人で約9,000万円(楽観シナリオ)
🎨 できあがりイメージ:インフォグラフィック 例1
🎨 できあがりイメージ:インフォグラフィック 例2
🎨 できあがりイメージ:インフォグラフィック 例3
9. 持ち帰ってほしいこと3選
本シリーズ全体を通して身につけてほしい3つのこと。
- 商品企画は型でできる(特別なひらめき不要)
- AIは加速の道具(あくまで自分が考えるのが先)
- AIがなくても、自分で考えて回せる力(これからの社会で必要な力)
それでは、1.課題抽出 から始めましょう