0. 現在の位置:企画書化
商品企画7プロセスの最終ステップ。前6プロセスで完成した「VPC+エレベーターピッチ+検証結果」を、商品企画書(A4 2-3ページ程度)に展開する。
コンセプトだけでは事業にならない。「誰に売るか・どう届けるか・いくら稼ぐか・誰と組むか」まで含めて初めて「事業」として動かせる。商品企画書のお役立ちテンプレート(7セクション構成)で、A4 2-3ページ程度の商品企画書に展開する。
ここを飛ばすと、コンセプトだけで終わって「で、どう作って売るの?」に答えられない。1枚で語れる企画書になって、初めて他人(投資家・上司・パートナー)を巻き込める。
1. 商品企画書とは何か
ひとことで言うと: コンセプトを「商品として売り出すための1枚」に展開する作業。
📌 このプロセスのアウトプット(完成イメージ)
A4 2-3ページ程度の商品企画書(テキスト)が完成します。
商品企画書サンプル(ホコリ封印ウェット軍手)— クリックで全文展開
1. 商品概要
- 商品名: ホコリ封印ウェット軍手
- キャッチコピー: そっと集めて漏らさずポイ!
- 1行エレベーターピッチ: 徹底防衛派アレルギー持ちの「集めたホコリの再飛散と廃棄時の3重ハードル」を、ウェット繊維で絡め捕り裏返してそのまま封印する手袋で解決する。
2. ターゲット
- ターゲット: 30〜50代女性、徹底防衛派アレルギー持ち(全国推計約50万人)
- 背景: 重症のダニ・ハウスダスト・カビアレルギーで、週末の掃除デーが最大の苦痛
- 代表的なペルソナ: 山本詩織さん(38歳・主婦)
3. 課題と背景
- 既存の掃除道具は「集める」までしか設計されていない
- 掃除中の被曝3重ハードル: (1)ダストカップの空気抜き(最深刻) (2)水洗いの再飛散 (3)ドア対流
- 掃除後に1〜2時間横になる必要があり、QOLを大きく損なう
4. 価値提案
- 雪崩ゼロ: ウェット繊維で絡め捕り、舞い上がりを抑える
- 鉄壁ガード: ロングカフ+二重バリアで肘まで防護
- 完全封印: 裏返し粘着フラップで密閉してそのまま廃棄
- 中和: アレルゲン変性+帯電防止液剤で再付着抑制
5. 商品仕様
- 素材: ウェット繊維 + ニトリル(裏側)
- 構造: ロングカフ(肘まで) + 二重バリア + 裏返し粘着フラップ
- 液剤: アレルゲン変性 + 帯電防止
- 形態: 使い切り型(両手1組)
6. 販売計画
- 価格: 1組30円(両手分)
- 販売チャネル: ドラッグストア + Amazon・楽天 + 直販EC + 医療機関連携
- 販促: SNSアレルギー持ちコミュニティでの口コミ + 医師推奨 + 定期購入
7. 数値見込み
- 市場規模: 徹底防衛派アレルギー持ち 約50万人
- 想定購入: 月10組 × 年12か月 = 年3,600円/人
- 年商見込み: 獲得2.5万人で約9,000万円(楽観シナリオ)
コンセプト vs 商品企画書
5.コンセプト設計の「VPC+エレベーターピッチ」は商品の話。企画書はそれを事業の話に拡張する。
- コンセプト: 誰の・何を・どう解決するか(=商品)
- 商品企画書: それを誰に・どんな仕様で・いくらで・どう届けるか(=商品)
短く伝えるのが鉄則
商品担当・マーケ部・バイヤー(小売)は忙しい。商品の全貌を A4 2-3ページ程度の商品企画書 で伝えられる状態が必要。商品企画書のお役立ちテンプレート(7セクション構成)がその型。
このプロセスを飛ばすとどうなるか
- 商品全体を見ていない → 「ターゲットは?価格は?どう売る?」に答えられない
- 数値見込みがない → 「市場規模は?売れる見込みは?」に説得力がない
- 商品企画書にまとまっていない → 口頭説明だけでは相手に残らない、採用判断が下りない
2. このプロセスで使うお役立ちテンプレート
商品企画書化では「商品企画書のお役立ちテンプレート(7セクション)」を中心に、シナリオ→具体化→AI生成 の3ステップで進める。
お役立ちテンプレートは本講義で用意した、商品企画書を書くための便宜的な型。世の中で広く使われる固定のフレームワーク(3C・SCAMPER等)とは性質が異なり、本プロセスのアウトプット(商品企画書)を組み立てるための「便利な雛形」として使う。
「企画書化」プロセスで使用するお役立ちテンプレート
| お役立ちテンプレート | 機能 | 使用ステップ |
|---|---|---|
| 商品企画書のお役立ちテンプレート(本編) | 商品概要・ターゲット・課題と背景・価値提案・商品仕様・販売計画・数値見込み の7セクション構成 | ステップ1〜3 |
※ 本プロセスでは商品企画書のお役立ちテンプレートを唯一の中核とし、7セクションを3ステップに分けて埋める。
商品企画書のお役立ちテンプレートの7セクション
| セクション | 内容 |
|---|---|
| 1. 商品概要 | 商品名・コンセプト・キャッチコピー |
| 2. ターゲット | ペルソナ(2.顧客理解)+ 市場規模(3.市場・競合) |
| 3. 課題と背景 | 顧客の困りごと(1.課題抽出のなぜ?5回の結果) |
| 4. 価値提案 | USP・差別化・解決方法(5.コンセプト設計のVPC+エレベーターピッチ) |
| 5. 商品仕様 | 機能・デザイン・素材・サイズ |
| 6. 販売計画 | 価格・チャネル・販促 |
| 7. 数値見込み | 年商見込み・需要規模 |
3. 30分で完了する3ステップ
企画書化は3ステップで完了する。15分+10分+5分、合計30分(目安)。
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次ページ以降、各ステップを順に解説する。
1商品企画書のシナリオ作成:商品概要・ターゲット・課題・価値提案
商品企画書のお役立ちテンプレート §1〜§4(シナリオ部分)を埋める。前6プロセスの成果物(ペルソナ・市場・課題・VPC+エレベーターピッチ)を素材として活用。所要時間15分(目安)。
使用するお役立ちテンプレート
商品企画書のお役立ちテンプレート §1〜§4
商品企画書のシナリオは4セクション。商品概要(商品名・コンセプト・キャッチコピー)・ターゲット(ペルソナ・市場規模)・課題と背景(顧客の困りごと)・価値提案(USP・差別化・解決方法)。
なぜやるのか
前6プロセスの成果物がバラバラのままだと「他人に伝えられない状態」。シナリオで4セクションに整理することで、商品の物語が1本筋で語れるようになる。バイヤーや上司に渡せる「読める形」の入口。
手順
- 1. 商品概要を書く:商品名+コンセプト1行+キャッチコピー(5.コンセプト設計の成果)
- 2. ターゲットを書く:ペルソナ要約(2.顧客理解)+ 市場規模(3.市場・競合)
- 3. 課題と背景を書く:顧客の困りごと(1.課題抽出のなぜ?5回の結果)
- 4. 価値提案を書く:USP・差別化・解決方法(5.コンセプト設計のVPC+エレベーターピッチ)
シナリオ部分の記入例(ホコリ封印ウェット軍手)
| セクション | 記入例 |
|---|---|
| 1. 商品概要 | 商品名:ホコリ封印ウェット軍手 / コンセプト:そっと集めて漏らさずポイ! / キャッチ:掃除〜廃棄まで完全防護 |
| 2. ターゲット | 30〜50代女性、徹底防衛派アレルギー持ち(全国推計約50万人)/ 重症のダニ・ハウスダスト・カビアレルギー |
| 3. 課題と背景 | 既存の掃除道具は「集める」までしか設計されていない。掃除中の被曝3重ハードル(空気抜き・水洗い・ドア対流)で、掃除後に1〜2時間横になる必要。 |
| 4. 価値提案 | 雪崩ゼロ+鉄壁ガード+完全封印+中和 の4特徴で、掃除〜廃棄まで完全防護。市場に競合不在の「対処×完全防護」空白象限。 |
✏️ やってみよう (ステップ1: 商品企画書のシナリオ §1〜§4)2026.05実施対象
前6プロセスの成果物(ペルソナ・市場規模・課題・VPC+エレベーターピッチ)を整理・再構成して、商品企画書のシナリオ部分を埋めよう。
| セクション | 記入欄 |
|---|---|
| §1 商品概要 | |
| §2 ターゲット | |
| §3 課題と背景 | |
| §4 価値提案 |
シナリオ作成のAI活用プロンプト(3選)
シナリオ(§1〜§4)はすでに前6プロセスで作った素材の整理・再構成。新しく考える必要はなく、AIに素材を渡せば一気に文章化できる。
2商品仕様+販売計画+数値見込み
商品企画書のお役立ちテンプレート §5〜§7(具体化部分)を埋める。商品が「どう作られ・どう売られ・どれぐらい売れるか」を具体化。所要時間10分(目安)。
使用するお役立ちテンプレート
商品企画書のお役立ちテンプレート §5〜§7
商品の具体化は3セクション。商品仕様(機能・デザイン・素材・サイズ)・販売計画(価格・チャネル・販促)・数値見込み(年商見込み・需要規模)。
なぜやるのか
シナリオだけでは「何を作るか」までしか語れていない。商品仕様・販売計画・数値見込みを加えることで、「どう作って・どう売って・いくら稼ぐか」が答えられる状態になる。バイヤー・上司の「で、儲かるの?」に応えるための具体化。
手順
- 5. 商品仕様を書く:機能・デザイン・素材・サイズ等(4.アイデア発想のSCAMPER結果を具体化)
- 6. 販売計画を書く:価格・販売チャネル・販促方法
- 7. 数値見込みを書く:想定単価×想定購入頻度×想定獲得人数=年商見込み
具体化部分の記入例(ホコリ封印ウェット軍手)
| セクション | 記入例 |
|---|---|
| 5. 商品仕様 | ウェット繊維+ニトリル素材 / ロングカフ(肘まで)+二重バリア / 裏返し粘着フラップ / アレルゲン変性+帯電防止液剤 / 使い切り型(両手1組) |
| 6. 販売計画 | 価格:1組30円(両手分) / チャネル:ドラッグストア(マツキヨ等)+ Amazon・楽天 + 直販EC + 医療機関連携 / 販促:SNSアレルギー持ちコミュニティ口コミ + 医師推奨 |
| 7. 数値見込み | 市場規模:徹底防衛派アレルギー持ち 約50万人 / 想定購入:月10組 × 年12か月 = 年3,600円/人 / 年商見込み:獲得2.5万人で約9,000万円 |
✏️ やってみよう (ステップ2: 商品の具体化 §5〜§7)2026.05実施対象
商品が「どう作られ・どう売られ・どれぐらい売れるか」を具体化しよう。数値見込みは桁感の妥当性が大事。
| セクション | 記入欄 |
|---|---|
| §5 商品仕様 | |
| §6 販売計画 | |
| §7 数値見込み |
具体化のAI活用プロンプト(5選)
数値見込みは3桁の精度で良い。1円・1人単位まで詰める必要はない。「市場50万人 × 単価3,600円 × 獲得率5% = 9,000万円」のような桁感の妥当性が大事。
3商品企画書化
ステップ1(シナリオ)+ステップ2(具体化)で揃った素材から、A4 2-3ページ程度の商品企画書(テキスト)を作る。AIに任せて5分で完成。所要時間5分(目安)。
使用するお役立ちテンプレート
商品企画書のお役立ちテンプレート(7セクション構成)
商品概要・ターゲット・課題と背景・価値提案・商品仕様・販売計画・数値見込み の7セクションで書く、商品企画書の型。
なぜやるのか
素材が揃っても、A4 2-3ページにまとめられないと相手は読んでくれない。AIに渡して一気に文章化することで、5分で「相手に渡せる商品企画書」が完成する。人間の役割は最終チェック(数値・論理・差別化)に集中できる。
手順
- ステップ1〜2で揃った素材(§1〜§7の各セクション内容)を AI(ChatGPT/Claude/Gemini)に渡す
- 「商品企画書のお役立ちテンプレート(7セクション)で§1〜§7を書いて」と指示する
- 出力を読み、違和感(数値・論理・差別化)があれば修正指示(2〜3往復で完成)
商品企画書サンプル(ホコリ封印ウェット軍手の場合)
1. 商品概要
- 商品名: ホコリ封印ウェット軍手
- キャッチコピー: そっと集めて漏らさずポイ!
- 1行エレベーターピッチ: 徹底防衛派アレルギー持ちの「集めたホコリの再飛散と廃棄時の3重ハードル」を、ウェット繊維で絡め捕り裏返してそのまま封印する手袋で解決する。
2. ターゲット
- ターゲット: 30〜50代女性、徹底防衛派アレルギー持ち(全国推計約50万人)
- 背景: 重症のダニ・ハウスダスト・カビアレルギーで、週末の掃除デーが最大の苦痛
- 代表的なペルソナ: 山本詩織さん(38歳・主婦)
3. 課題と背景
- 既存の掃除道具は「集める」までしか設計されていない
- 掃除中の被曝3重ハードル: (1)ダストカップの空気抜き(最深刻) (2)水洗いの再飛散 (3)ドア対流
- 掃除後に1〜2時間横になる必要があり、QOLを大きく損なう
4. 価値提案
- 雪崩ゼロ: ウェット繊維で絡め捕り、舞い上がりを抑える
- 鉄壁ガード: ロングカフ+二重バリアで肘まで防護
- 完全封印: 裏返し粘着フラップで密閉してそのまま廃棄
- 中和: アレルゲン変性+帯電防止液剤で再付着抑制
5. 商品仕様
- 素材: ウェット繊維 + ニトリル(裏側)
- 構造: ロングカフ(肘まで) + 二重バリア + 裏返し粘着フラップ
- 液剤: アレルゲン変性 + 帯電防止
- 形態: 使い切り型(両手1組)
6. 販売計画
- 価格: 1組30円(両手分)
- 販売チャネル: ドラッグストア + Amazon・楽天 + 直販EC + 医療機関連携
- 販促: SNSアレルギー持ちコミュニティでの口コミ + 医師推奨 + 定期購入
7. 数値見込み
- 市場規模: 徹底防衛派アレルギー持ち 約50万人
- 想定購入: 月10組 × 年12か月 = 年3,600円/人
- 年商見込み: 獲得2.5万人で約9,000万円(楽観シナリオ)
企画書化のAI活用プロンプト(4選)
素材(シナリオ §1〜§4 + 具体化 §5〜§7)があれば、AIに1プロンプトで企画書テキストが完成。質を上げるための修正指示(数値・論理・差別化)が人間の役割。
📌 企画書テキストから派生できる成果物
商品企画書(テキスト)が1つあれば、AIで以下のような派生形がすぐ作れる。
- 1枚スライド化(One-Pager)(A4 1枚 or 16:9) → +α ① で詳細
- インフォグラフィック(AI画像生成)
- グラレコ風サマリ(AI画像生成)
- ピッチシナリオ(口頭プレゼン台本、AIで生成)
- HTML / Webページ版(AIでコード化)
- 動画スライド・ナレーション台本(AIで生成)
→ 商品企画書テキストの質を上げれば、すべての派生形の質も上がる。派生形の作り方ではなく、土台のテキストの精度に時間を投資するのが効率的。
✏️ やってみよう (ステップ3: 商品企画書をAIで仕上げる)2026.05実施対象
ステップ1〜2で揃った素材をAIに渡して、商品企画書テキスト(7セクション)を一気に生成。出力を読み、数値・論理・差別化に違和感があれば修正指示。完成版をここに記録しよう。
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 商品企画書テキスト全文 (AIで生成 → 人間が修正) | |
| 数値の妥当性 (○/△/×) | |
| 論理の妥当性 (○/△/×) | |
| 差別化の妥当性 (○/△/×) |
+α ①: 1枚スライド化(One-Pager)
ステップ3の商品企画書(テキスト)から、A4 1枚または1スライドにサマリ凝縮する派生形。投資家・上司・パートナーへのファーストインプレッションに使う。AIにレイアウト指示で2分で完成。
商品企画書の全文は読み込みに時間がかかる。「One-Pager(1枚資料)」として、最も重要な要素を抽出して再構成すると、忙しい相手にも全体像が一目で伝わる。
[1] 1枚資料(One-Pager)の6要素
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| ① タイトル | 商品名+エレベーターピッチ1行(5.コンセプト設計の成果) |
| ② ペルソナ | 誰の困りごとか(2.顧客理解のペルソナ要約) |
| ③ 価値提案 | 何をどう解決するか(VPCのPain Relievers/Gain Creators) |
| ④ 市場・数値 | 市場規模(3.市場・競合) + 年商見込み |
| ⑤ キービジュアル | 6.検証で作った商品単体or利用シーンの画像 |
| ⑥ 次のアクション | 必要な投資・期日・パートナー("で、何が必要?") |
[2] レイアウト例
※ あくまで1例。読み手に伝わればアレンジは自由(レイアウト・色・余白等)
[3] 記入例(ホコリ封印ウェット軍手)
①ホコリ封印ウェット軍手 — そっと集めて漏らさずポイ!
② 徹底防衛派アレルギー持ち(山本さん他 約50万人)
③ 雪崩ゼロ+鉄壁ガード+完全封印+中和 で掃除〜廃棄まで完全防護
④ 市場50万人 / 年商9,000万円
⑤ [キービジュアル: 商品企画書添付のインフォグラフィック画像]
⑥ 初期投資3,000万円 / OEMパートナー1社 / 12か月で損益分岐
→ A4 1枚で「誰の何をどう解決して、いくら稼いで、何が必要か」が全部伝わる。これが企画書化のゴール。
[4] AI活用プロンプト(3選)
- 1枚プレゼンは「読ませる」のではなく「見せる」のがコツ。文字よりも数字・図・キービジュアルで伝える。
- 「5分で読める」と「1分で説明できる」を両立できると、相手に強く残ります。
4. 次のプロセスへ(企画書化→事業化)
本プロセスの成果物と、7プロセス完了後にやること。
本プロセスでできあがるもの
- 商品企画書(テキスト): A4 2-3ページ程度、7セクション構成(商品概要・ターゲット・課題・価値提案・商品仕様・販売計画・数値見込み)
→ 商品企画書テキストを起点に、1枚スライド・1分プレゼン・発表資料・ビジュアル展開等の派生形は AI ですぐ展開可能(+α ①〜④ で紹介)。
7プロセス完走おめでとうございます🎉
1.課題抽出 → 2.顧客理解 → 3.市場・競合 → 4.アイデア発想 → 5.コンセプト設計 → 6.検証 → 7.企画書化 の合計30分×7=約3.5時間で、商品アイデア1個から商品企画書1冊まで通せた。
事業化フェーズへ進むには
商品企画書は事業化への入口。ここから先、事業として動かすには以下のような検討が必要になる(本講義のスコープ外、参考):
事業化に向けて検討が必要なこと(クリックで展開)
- 事業全体のビジネスモデル(BMC: Business Model Canvas で9マス整理)
- 収益性の詳細検証(LTV・CAC・損益分岐点・回収期間)
- 3年分の財務試算(PL・CF・BS)
- 投資家向けエレベーターピッチ資料(10〜15枚デッキ)
- 仲間集め(共同創業者・パートナー・最初の顧客)
- 資金調達(投資家・補助金・クラウドファンディング)
- MVP開発(最小限の商品を試作して市場投入)
- 法務・知財・契約(商標・特許・取引契約)
商品企画はここで終わりではなく、事業として動かす最初のステップ。良い商品企画書は、その後の事業化フェーズで何度も活躍する資産になる。
+α:もっと商品企画書の精度を上げたいときは
本編3ステップで商品企画書は完成可能。さらに発信形態を増やしたい場合の4項目。
商品企画書から派生する各種発信形(プレゼン用1枚・口頭プレゼン・発表資料・ビジュアル展開)を AI で作る。
+α ②: 1分プレゼン磨き
5.コンセプト設計の「エレベーターピッチ」を、声に出して1分で語れる台本に磨き込む。
[1] 1分プレゼンの構成
標準的な1分プレゼンは3つのパート×20秒の構造:
| パート | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| ①導入 | ペルソナのペインを具体的に描写(共感を引き出す) | 20秒 |
| ②本論 | 商品の核心+差別化+数値(理性に訴える) | 20秒 |
| ③クロージング | 未来像+次のアクション(行動を促す) | 20秒 |
[2] 1分プレゼンの記入例(ホコリ封印ウェット軍手)
①導入(20秒):アレルギー持ちにとって、掃除は命がけの除染作業です。掃除機をかければ排気で舞い上がり、モップを使えば保持限界を超えた『ホコリの雪崩』に襲われる。さらに最悪なのはゴミ捨てです。ダストカップを開けた瞬間、高濃度のアレルゲンが再飛散し、私たちは息を止めてお風呂場へ駆け込むしかありませんでした。
②本論(20秒):この地獄を終わらせるのが『ホコリ封印ウェット軍手』です。ウェット繊維がホコリをミクロでロックし、肘までの医療級ロングカフで腕も完全防護。掃除が終われば、集めたホコリをグーで握りしめたまま、手袋をくるっと裏返すだけ。内側の粘着フラップが密閉封印し、一粒の塵も外に出しません。
③クロージング(20秒):1枚わずか30円。50万人の徹底防衛派アレルギー持ち市場、年商9,000万円の見込みも確認済み。これで、あなたの家のテレビ裏から地獄が消えます。
[3] 磨き込みの3観点
| 観点 | 質問 |
|---|---|
| 音読 | 声に出して1分以内に収まるか? 引っかかる箇所はないか? |
| 具体性 | 抽象語(便利・簡単)を使っていないか? シーン描写で語っているか? |
| 数字 | 客数・金額・年数を含めて説得力があるか? |
[4] 1分プレゼン磨きのAI活用プロンプト
+α ③: 発表資料
商品企画書を 10〜15枚のスライド資料に展開する。授業発表・ピッチコンテスト・社内発表等で使う本格的な発表資料のフォーマット。
[1] 標準的な発表資料の構成(10枚程度)
| 枚数 | タイトル | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 表紙 | 商品名+キャッチコピー |
| 2 | 課題 | 1.課題抽出の本質ペイン |
| 3 | 顧客(ペルソナ) | 2.顧客理解のペルソナ |
| 4 | 市場規模 | 3.市場・競合のフェルミ推定 |
| 5 | 競合とポジショニング | 3.市場・競合のポジショニングマップ |
| 6 | 商品コンセプト | 4.アイデア発想+5.コンセプト設計 |
| 7 | 価値提案(VPC) | 5.コンセプト設計のVPC |
| 8 | 商品仕様 | 機能・デザイン・素材・サイズ |
| 9 | 販売計画 | 価格・チャネル・販促 |
| 10 | 検証結果と次の一歩 | 6.検証のフィードバック+今後の検討事項 |
[2] 1スライド = 1メッセージの原則
1枚に複数のメッセージを詰め込まない。「このスライドで言いたいことは1つだけ」を徹底する。文字よりも図・グラフ・キービジュアルを優先。
[3] 発表資料のAI活用プロンプト
+α ④: 商品ビジュアル展開
商品企画書テキストから、カタログ・パッケージデザイン案・SNS画像・インフォグラフィック等のビジュアルを AI で展開する。
※ 6.検証フェーズで使う「ペルソナ検証用インフォグラフィック」とは別物。ここでのインフォグラフィックは販促・発信用途(EC・LP・SNS等で見せる)。検証用=自分のペルソナ理解を深めるために作る/販促用=商品を世の中に届けるために作る、という違い。
[1] ビジュアル展開の種類
| 種類 | 用途 |
|---|---|
| 商品カタログ | バイヤー(小売)・取引先向けに商品の特徴を伝える1〜2ページ資料 |
| パッケージデザイン案 | 店頭で目を引く・商品コンセプトが伝わるパッケージのラフ案 |
| SNS用画像 | Instagram・X等で拡散する商品紹介画像(訴求コピー入り) |
| インフォグラフィック | 商品の特徴を視覚的に1枚にまとめる図解(EC・LPで使用) |
[2] AIで作る手順
- 商品企画書テキスト(§1〜§4のシナリオ部分)をAIに渡す
- 用途別にプロンプト(下記)で指示する
- 生成画像を選別・微修正(AI画像生成サービス: GPT-Images / NanoBananaPro等)
[3] ビジュアル展開のAI活用プロンプト
ビジュアル展開は商品企画書テキストの「派生形」。土台のテキストが固まっていれば、AI に渡せばすぐ展開できる。質を上げたい時はテキスト側を磨くのが効率的。
なぜ「人間が考える」を先に持ってきているか(企画書化版)
企画書化プロセスにおいても、「人間が先、AIが後」を採用する理由。
企画書化をAIに全任せすると、こんなことが起きてしまう
- 商品企画書が 「教科書通りの優等生」になる: テンプレ7セクションは埋まるが、商品の独自性が見えない
- 数値が 「もっともらしい数字」に偏る: AI は統計の平均に寄せるので、突き抜けた成長予測が出にくい
- 1枚プレゼンが 「説明的」になる: 投資家を動かす情熱・物語性が抜ける
人間が先に「自分の事業として何が大事か」を持って、AIに整理・補強させると、「自分の確信」+「AIによる構造化」のハイブリッドになる。
人とAIの組み合わせ方を、自分の言葉で語る
これから先、就活でも仕事でも「AIをどう使っているか」を聞かれる場面が増える。以下のような言い方ができると、人とAIの組み合わせ方を自分の言葉で語れる。
△ 「AIでやりました」
→ 「自分では考えることができない」とみなされてしまう可能性
アピール例
- ✅「AIに複数案を出してもらい、人間が選びました」
- ✅「AIにまとめてもらったものを、人間が判断しました」
- ✅「AIで大量に案を発散させた後、自分の感覚で絞り込みました」
- ✅「人間が問いを考えた上で、AIで加速しました」
- ✅「AIを壁打ち相手にしながら、自分で結論を出しました」
- ✅「最初に自分で仮説を立て、AIにその弱点を指摘してもらって気付きを得ました」
- ✅「案をAIに批判してもらい、その批判に反論できる案だけ採用しました」
- ✅「AIの仮説を、自分の体験で検証しました」
- ✅「AIが見落としがちな『生活実感』を、人間側で補強しました」
- ✅「複数のAIに同じ問いを投げ、回答の共通点・相違点から精度を上げました」
- ✅「AIの出力を鵜呑みにせず、情報源・根拠を調べるようにしました」
- ✅「AIで効率化して浮いた時間で、より重要な作業に集中しました」
→ AIを使いこなしてる人
企画書化において、まず人間が取り組み、その上でAIを活用する進め方まとめ
- まず人間で商品企画書のシナリオ(§1〜§4)を「自分の言葉」で書く(=自分の商品観の表明)
- AI に「抜けマス・矛盾」を指摘させて補強
- 数値検証は人間が前提を置き、AI に試算させて検算
- 1枚プレゼンは人間が「最も伝えたい1メッセージ」を決め、AI に表現を磨かせる
- 投資家想定質問は人間が「自分が一番突っ込まれたくない弱点」を意識して準備
【まとめ】企画書化プロセスの3ステップ
商品企画書化プロセスでやる3ステップの確認。
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所要時間 合計30分(目安)。
7プロセス完走おめでとうございます🎉
1.課題抽出から始まり、7.企画書化まで合計30分×7=約3.5時間で、商品アイデア1個から商品企画書1冊まで通せました。あとは事業化フェーズへ。